犬の咽頭ポリープ
咽頭部にポリープができることは犬では稀であり、今まであまり報告もありません。
ポリープが小さいうちには症状が出ないことが多いですが、大型になり気道を閉塞させると症状が出てきます。
症状が出るほど大型になったものは基本的に切除の対象になります。
症例
5歳齢のトイプードルが急性の呼吸困難でかかりつけの病院を受診し、咽頭部に腫瘤があることがわかり、精査を目的に来院しました。
来院時の呼吸は比較的落ち着いていました。
レントゲンを撮影してみると、咽頭部に腫瘤が認められました。
時おり呼吸状態が悪くなることもあり、それ以上の精査は気道を確保しないと難しいと判断し、麻酔をかけて挿管管理をしながら検査を実施しました。
麻酔下で喉頭鏡検査を実施してみると、右扁桃部周辺から発生した喉を覆う大きさのポリープが咽頭部を占拠している様子がわかりました。
そのままの麻酔でポリープを根元から切除し、気道をしっかりと開存させました。
その後麻酔から覚醒させると、呼吸状態はとてもよくなり安定しました。
気道を閉塞させている腫瘤がある場合には、緊急的に気道を開存させる必要が出てくる場合が多いです。
急性の呼吸困難や、咽頭ポリープでお困りの小さなご家族がいる方は、是非当院までご相談ください。