肺動脈狭窄症
肺動脈狭窄症とは、心臓の右心室から肺にかけて血液を運ぶ肺動脈に狭窄がある状態の病気のこと言います。
肺動脈内にある肺動脈弁が生まれつき癒合をしてしまうことによって狭窄が生じる場合が多いです。
チワワ、ポメラニアン、ミニチュアピンシャーやミニチュアシュナウザー、フレンチブルドックなどの特定の犬種がこの病気になってしまうことが多いです。
症状としては軽度であれば通常何も症状がないことが多いですが、中等度〜重度であると、疲れやすさや失神、むくみといった症状が出てきます。
重度であると、時には突然死することもあると言われています。
症例
0歳6ヶ月のポメラニアンが予防で来院しました。
聴診をしてみると、かなり明確な心雑音が聞こえました。
レントゲンを撮ってみると、心臓がやや大きくなっており、超音波検査を実施すると、肺動脈に狭窄を認めました。
治療の方法として、内服薬によって心臓の負担をとりながら経過を見ていく方法や、バルーンといった特殊な風船で狭窄を解除する方法、外科的に狭窄部位を広げる方法などがあります。
狭窄の重症度によって推奨される治療は異なり、重度になるとバルーンや外科的な拡張を考えていきます。
ご家族との相談の上で、この症例は内服薬にて様子を見ていくことになりました。
時折失神といったような症状は出すことがありつつも、最初に来院した時から2年半ほど元気に過ごしています。
重症度やご家族の希望によって治療の選択肢は様々であり、その都度ご家族と相談させていただいております。