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胆嚢粘液嚢腫 犬 手術 胆嚢摘出 黄疸

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胆嚢粘液嚢腫とは、ムチンを多く含んだ粘性の高い液体が胆嚢に蓄積することで胆嚢が拡張してしまう病気です。

シェットランド・シープドックやプードル、コッカースパニエル、ミニチュアシュナウザーなどが好発犬種として考えられていて、高齢での発生が多いとされています。

症状としては嘔吐や食欲不振、元気消失などが一般的で、重度になってくると黄疸が認められることもあります。

診断には超音波検査が有効であり、特徴的なキウイフルーツ様の内容物を伴った胆嚢がうつってくることが多いです。

胆嚢からの胆汁排泄が詰まってしまうと、手術が必要になることも多い病気です。

症例

7歳のトイプードルが胆嚢粘液嚢腫のセカンドオピニオンにて来院しました。

食欲がないことが数日間続いているとのことでした。

他の動物病院にて治療をしているが、なかなか症状が改善しないとの状態でした。

検査をしてみると、血液検査で黄疸の値がだんだん上昇してきていることと、炎症の値が下がっていかない様子でした。

超音波検査を実施してみると、典型的なキウイフルーツ様の内容物を伴った胆嚢がうつし出されてきました。

胆嚢の超音波画像 キウイフルーツ様の内容物
胆嚢の超音波画像

胆嚢からの消化液の出口である総胆管も拡張しており、胆汁が詰まってしまい排出されていない状態でした。

内科治療になかなか反応しない状態であったので、黄疸の値の上昇が続いてしまっていた為、リスクは伴いますが、外科的な治療に進むことを提案し、ご家族にもご了承をいただきました。

麻酔をかけて、毛を剃毛し、手術の準備をしていきます。

腹部正中切開にて開腹し、胆嚢周囲を確認しました。

周囲の脂肪組織との癒着があり、慢性的な炎症を伴っていたり、胆汁が少量漏れてしまっている状態が予想されました。

胆嚢に周囲組織が癒着している
癒着を外した胆嚢

開腹下での総胆管も確認してみると、明らかに拡張しているような状態でした。

緑色の拡張した総胆管を確認する

胆嚢に牽引するための糸を縫合し、胆嚢を牽引しながら周囲から剥離をしていきます。

胆嚢を肝臓から剥離し終わった時点で、総胆管の根本を切開しチューブを挿入し、総胆管に閉塞があるかどうかを確認していきます。

胆嚢に縫合糸をかけて牽引
総胆管にチューブを入れて洗浄

明らかな閉塞が見られたので、きれいな生理食塩水を注入しながら、閉塞を解除していきます。

総胆管の詰まりを解除し、洗浄した後に胆嚢基部を結紮し、胆嚢を切除しました。

胆嚢切除後 結紮点を確認

周囲に胆汁の漏れがないこと確認し、腹腔内を洗浄し、閉腹をしていきました。

術後は数日の入院のうちに黄疸の値も改善し、炎症の値も下がっていきました。

元気食欲が認められていたので、退院していきました。

その後も順調に体調は回復してくれており、肝臓機能に障害も出ない状態にて経過を見ています。

胆嚢粘液嚢腫は、胆道の閉塞がなければある程度内科管理でコントロールできることもありますが、胆道の閉塞が出てきてしまうと、外科的に対処をしなければならない場合もあります。

小さなご家族が胆嚢粘液嚢腫にてお困りの方は是非一度当院にご相談ください。

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