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喉頭麻痺 犬 喉頭虚脱 手術 タイバック 被裂軟骨側方化術

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喉頭麻痺は、正常では息を吸う時に開く喉頭と呼ばれる空気の通り道が開かなくなり、呼吸困難がおこってしまう病気です。

呼吸の状態としては、ゼーゼーやガーガーという呼吸音が鳴ったり、息を吸うことが苦しくなったりします。ストライダーと呼ばれる、ガーガーした音が鳴る呼吸音もよくおこります。

中年齢以降の大型犬(特にラブラドールレトリーバーやゴールデンレトリーバー)に多い病気で、小型犬でも見られることがあります。

喉頭虚脱と呼ばれる、喉頭自体が狭くなって開かなくなってしまう病気も合併することが有ります。

診断には、喉頭の内視鏡が必要になり、麻酔が必要な検査になります。

治療は安静や酸素投与を急性期には行いますが、症状の悪化や再発を繰り返すようであれば手術が必要になります。

症例

7歳齢のポメラニアンがストライダーと呼ばれる呼吸様式を伴う急性の呼吸困難で来院しました。

興奮時や外気温が高い季節に度々症状を繰り返しているとのことでした。

ポメラニアンは気管虚脱という病気が非常に多く、気管虚脱による呼吸困難を疑いましたが、レントゲン検査での気管に重度の気管虚脱は認められませんでした。

呼吸様式や症例の状態から、喉頭麻痺を疑い、呼吸状態が落ち着いてから、浅い麻酔下での喉頭の内視鏡検査を実施しました。

内視鏡を見てみると、息を吸う時に広がり、吐く時に閉じるはずの喉頭が吸気時も呼気時も閉じたままになっていました。

吸気時の喉頭内視鏡所見
呼気の画像と比較し開いていない
呼気時の喉頭内視鏡所見

この所見から、喉頭麻痺による呼吸困難と診断をしました。

急性の症状が落ち着いてから、ご家族と相談の上、症状を繰り返さないために、手術を実施することになりました。

手術は、被裂軟骨側方化術(タイバック)という術式を実施します。

喉頭装置を構成する被裂軟骨に縫合糸をかけて引っ張ることによって喉頭を広げ、呼吸を楽にする、という手術になります。

喉頭装置の模式図 青い部分が呼吸の通り道 横方向から見ている
赤い線が縫合糸 被裂軟骨と輪状軟骨に縫合糸をかけて牽引する

手術前後で喉頭の内視鏡にて喉頭の広がりを見てみると、手術後はしっかり広がっていることが確認できます。

手術前の喉頭内視鏡所見
手術後の喉頭内視鏡所見 手術前に比べ広がっている

喉頭麻痺の病気自体の影響も有りますが、術後の合併症として誤嚥が起こりやすくなるので、注意して経過を見ていきます。

喉頭麻痺は、時おり診断する呼吸困難を伴う病気で、進行性に悪化していくことも多いです。

小さなご家族が喉頭麻痺でお困りの方は、是非一度当院までご相談ください。

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