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直腸脱 リクガメ 臓器脱 手術 直腸吻合術

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カメの臓器脱は比較的よく見られる疾患であり、消化管、卵管、膀胱、陰茎などは総排泄孔から脱出する可能性があります。

いきみが見られると腹圧が上昇し、臓器が脱出してしまう原因となることがあり、消化管内の異物や産卵期で卵が卵管内にある状態、膀胱結石や消化管のうっ滞などが原因となります。

臓器脱はお腹の中に臓器を戻してその状態を維持することによって再発しないこともあるが、お腹の中に戻しても再度脱出してしまう場合には、出てくる臓器の切除や整復する必要があります。

症例

9ヶ月齢のフチゾリリクガメが直腸の脱出を症状に来院しました。

レントゲン検査にて明らかに腹圧が上昇するような病気はなく、原因がわからなかったので、直腸を総排泄孔から腹部に押し戻して、脱出を防ぐために巾着縫合を総排泄孔にかけました。

レントゲン画像
レントゲン画像

その後、数日その状態を維持してから、巾着縫合を外すと直腸脱は再発してしまいました。

直腸脱がおこっている
整復して巾着縫合を実施

まだ若齢でかなり小型のカメだったので、臓器の大きさも小さく、切除と整復の難易度はかなり高かったのですが、ご家族とのご相談の上、手術を実施することになりました。

麻酔をかけて脱出した臓器の状態を確認します。直腸が脱出しており、脱出部分は壊死してしまっていたため、切除できる領域まで直腸を引き出してきます。

直腸の壊死部位を引き出す
切除部位を確認

まだ生存している領域まで直腸を引き出してから切除を行います。

外側の直腸の層と内側の直腸の層を吻合していきます。

非常に細い縫合糸を使用し、拡大鏡を用いて慎重に縫合を進めていきます。

吻合が終わると、縫合部位を優しく腹部に押し戻して手術を終了しました。

直腸を吻合したところ
縫合部位を腹部に戻す

手術後、再び直腸が脱出することはなくなり、元気や食欲もしっかり戻ってきました。

臓器脱は爬虫類に多くみられ、原因として特定できない場合もあり、中には外科的な対処が必要になるケースがあります。

小さなご家族が直腸脱でお困りの方は、是非一度当院までご相談ください。

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