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犬の肺腫瘍

肺腫瘍は比較的珍しい腫瘍であり、肺原発腫瘍よりも他臓器からの転移性腫瘍の方が多いとされています。

肺からの原発性腫瘍であると、肺腺癌、組織球性肉腫、扁平上皮癌などの発生があります。

症状としては咳、呼吸困難などですが、腫瘍が大きくなるまでは症状として出ないことも多いです。

治療は外科的な摘出が基本であり、組織球性肉腫以外の腫瘍にはあまり化学療法(抗がん剤治療)も効果的でないことも多いです。

症例

13歳齢のシェットランドシープドックが咳と元気食欲低下を症状として来院しました。

レントゲン検査、超音波検査をすると、前縦隔領域に大きな腫瘍があることがわかりました。

レントゲン画像
レントゲン画像

細胞診検査をしてみると、炎症細胞と腺細胞が少数取れてきました。

細胞診検査画像

CT検査を実施すると、巨大な腫瘍が前縦隔を埋めており、前大静脈を圧迫していましたが、摘出は可能と判断をしました。

CT検査画像
CT検査画像
CT検査画像

細胞診とCT検査上は胸腺腫を疑い、手術をご提案し実施することになりました。

前縦隔の腫瘍のため、胸の真ん中の骨を切っていく、胸骨縦切開術にてアプローチしました。

胸骨縦切開術にて胸腔内にアプローチ

胸壁周囲の癒着が激しく、剥離は大変でしたが、周囲をはずすことはなんとか実施できました。

周囲を剥離していくと、腫瘍の基部は右肺前葉と繋がっており、肺腫瘍であることがわかりました。

肺の基部にアプローチするには胸骨縦切開術だと距離が遠くなってしまい、手技の難易度が上がってしまうため、胸の横から肋骨の間を開いていく肋間開胸術にアプローチを切り替えました。

肋間開胸術に変更
肺腫瘍を切除

肋間開胸術にて右肺基部にアプローチし、腫瘍を肺葉ごと切り取る肺葉切除術を実施しました。

アプローチ部位が多く、負担の多い手術になってしまいましたが、1週間程度の入院し退院してから、徐々に元気食欲が回復していきました。

切除した腫瘍は、病理組織学的検査の結果、肺腺癌と診断されました。

悪性腫瘍であり、今後の経過を注意してみていく必要がありますが、定期的に検診しながら経過をみていってます。

肺腫瘍は、胸腔内に腫瘍が位置し、大事な血管や神経、臓器が集中する場所のため、手術難易度が高くなってしまいます。

当院では、ご家族に手術のリスクとメリットをお話し、肺腫瘍の手術を実施することが多いです。

肺腫瘍にてお困りの小さなご家族がいるかたは、是非当院までご相談ください。

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