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心膜横隔膜ヘルニア 猫 整復手術 麻酔管理 胸骨縦切開

更新日:

猫の心膜横隔膜ヘルニアの整復手術

心膜横隔膜ヘルニアとは、腹部の臓器が横隔膜を通り抜けて心膜内に出てしまう病気で先天性の病気となります。

心膜内とは胸の中になるので、脱出してしまった臓器が胸を圧迫してしまうことによって様々な症状が出ますが、無症状なこともあります。

高齢になってから発見されると、臓器の整復の難易度が高くなり、麻酔管理も非常に難しいものなるので、若齢での整復手術が推奨されます。

整復手術がうまくいけば完治が見込める病気になります。

症例

1歳のラガマフィンが左後肢の跛行を主訴に来院しました。

股関節での骨折が有り、手術を計画する段階で、胸部レントゲン検査にて心膜横隔膜ヘルニアがあることがわかりました。

レントゲン画像
レントゲン画像

腹部の臓器が多量に心膜内に入ってしまっている状態で、長時間麻酔をかけていくには麻酔リスクが高くなってしまうと判断をし、先に心膜横隔膜ヘルニアから整復を実施することにしました。

麻酔をかけて、呼吸管理がしっかりできるような状態にしてから、手術に入っていきます。

腹部正中切開にて開腹をしてみると、横隔膜に大きな穴が開いており、腹部の脂肪を多く含んでいる大網という臓器と、肝臓の大部分が横隔膜を超えて心膜内に入り込んでいることがわかりました。

開腹した時の様子 横隔膜に大きな穴が開いている

開腹した部位から大網はお腹の中に戻せましたが、肝臓はしっかりと固定をされてしまっており、戻すことは難しい状態でした。

開腹の傷口だけでは肝臓の整復は難しいと判断し、胸の方まで大きく術創を広げるため、胸骨縦切開を行い、実際に見える範囲を拡大しました。

そこまで大きく広げると、胸側に出てしまっていた肝臓が、心臓の周りの膜である心膜と癒着を起こしているがわかりました。

心膜に肝臓の一部が癒着している

肝臓と心膜の癒着部位の一番頭側を剥離すると、ようやく肝臓が動くようになり、お腹まで戻すことができるようになりました。

肝臓を正常な位置に戻した後、穴が開いてしまっている横隔膜を縫合し閉じていきます。

肝臓を正常な位置まで戻す
横隔膜を縫合し再建

その後、肝臓を戻すために切開した胸骨を縫合していき、胸を閉じていきます。

最後に開腹したお腹を閉じていき手術を終えました。

術後は循環の状態や呼吸の状態が不安定になり、点滴や注射、酸素室などでしっかりと管理を行い、安定化させていきました。

5日間ほどの入院で元気に退院していき、その後約1ヶ月ほど経過を追っていますが、再発は認められていません。

手術前のレントゲン画像
手術後のレントゲン画像
手術前のレントゲン画像
手術後のレントゲン画像

心膜横隔膜ヘルニアは、その子によって症状もまちまちですが、年齢を重ねてから症状が出る例や、今回の例のように他の疾患に対しての麻酔をかける時に問題になる場合があります。

比較的リスクの高い手術になるので、整復手術をするかどうかはご家族との相談次第になりますが、当院では治療の選択肢の一つとして、手術もご提示をしています。

小さなご家族が心膜横隔膜ヘルニアにてお困りの方は、是非一度当院までご相談ください。

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