千葉県柏市の動物病院 | 犬・猫・エキゾチック・小動物

柏メルビー動物病院

爬虫類・両生類 症例情報

膀胱結石 グリーンイグアナ 胃内異物 卵胞うっ滞 手術

投稿日:

トカゲの尿路結石は膀胱結石や総排泄腔結石が一般的と言われています。

尿路結石の原因としてビタミンD、ビタミンAの欠乏、フードの過剰なタンパク質とシュウ酸、細菌感染、脱水などが知られています。

症状として、いきみ、便秘、食欲不振、麻痺、総排泄孔からの臓器の脱出が見られることがあります。

診断にはレントゲン検査や超音波検査が有効になることが多いです。

症例

3歳のグリーンイグアナがビニール袋を食べてしまったかもしれないとの主訴で来院しました。

レントゲンを撮影してみると、胃内に明らかに食砂ではない異物が見られたのと、下腹部に結石を疑う陰影がありました。

下腹部の結石は腹部の正中になかったことから、消化管内異物の可能性を一番に疑いました。

胃内の異物と下腹部にある異物を摘出する為に開腹手術を勧め、ご家族と相談の上実施することにしました。

鎮静をかけてから超音波検査を実施すると、体腔内に卵胞が多数形成することを確認したため、腹腔内全体の詳細な評価を実施するためにCT検査を実施しました。

CT検査を実施すると、腹腔内の大部分を大型の卵胞が占めていることがわかりました。

ご家族と相談の上、こちらも可能であれば切除を実施することにしました。

鎮静から麻酔に移行し、仰向けに体位を固定しました。

麻酔後体位を仰向けに固定

腹部を切開していくと、大型の変色した卵胞が多数出てきました。

多数の大型の卵胞が変色している

卵胞を壊さないように慎重に牽引しながら卵胞全体と卵巣を体腔外に牽引していきました。

卵巣全体を確認しながら卵巣動静脈を結紮し離断しました。

大型の多数の卵胞と、卵巣卵管を同時に摘出していきました。

卵巣卵管摘出後、下腹部の結石を実際に目視し、膀胱内にあることを確認しました。

膀胱切開を行い、結石を摘出しました。

結石で大きくなった膀胱
膀胱を切開し結石を摘出

摘出後、膀胱を縫合し、閉鎖していきます。

膀胱を縫合し閉鎖

膀胱結石摘出後、胃を確認し、内容物が充満していることを触知し、胃切開を実施しました。

胃の内容物は誤食してしまったビニール袋でした。

ビニール摘出後、胃を縫合し閉鎖していきます。

拡張した胃
胃切開しビニールを摘出
胃を縫合して閉鎖

その後、腹部の切開部位を縫合して閉鎖し、閉腹しました。

手術後、麻酔からの覚醒は良好でした。

数日の入院後に退院し、自宅での元気食欲もだんだん回復していきました。

摘出した卵巣・卵管・膀胱結石
摘出した胃内異物

爬虫類の膀胱結石は時折見かける疾患ですが、無症状な症例もいれば、排尿排便ができなくなり状態が非常に悪い症例まで様々です。

小さなご家族が膀胱結石でお困りの方は、是非当院までご相談ください。

-爬虫類・両生類, 症例情報

柏メルビー動物病院
Main Menu

Copyright© 柏メルビー動物病院 , 2025 All Rights Reserved Powered by STINGER.

お電話でのお問い合わせ