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乳び胸 犬 呼吸困難 診断 手術 胸管結紮 心膜切除 乳糜槽切開

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乳び胸

乳び胸は、脂肪が大量に含まれたリンパ液である乳びが胸の中に溜まってしまう比較的珍しい病気です。

溜まってくる乳びによって、頻呼吸や呼吸困難など、呼吸器症状が出てくることが一般的に認められます。

乳び胸は原因不明で起きてしまうものと、心臓疾患や腫瘍や外傷など、何か原因があって二次的におきてしまうものがあります。

原因不明で起きてしまうものも多く、乳びの量や溜まるスピードが速いと症状が重くなってしまうことも多いので、外科的な治療を実施するとおさまってくれることが多いです。

症例

2歳の柴犬が頻呼吸を症状として来院されました。

レントゲン検査を行うと胸の中に水が溜まって入りことがわかりました。

レントゲン画像
レントゲン画像

胸水(胸の水)を抜いてみると白色の水であり、検査をしてみると乳びであるということがわかりました。

胸水 乳び

一度胸水を抜くと呼吸は安定するのですが、またすぐに溜まってきてしまう、ということを繰り返していました。

レントゲン検査や超音波検査にて他に乳びが溜まってしまう病気がないことを確認し、乳びの貯留が続いてしまっていることから手術を実施する形になりました。

乳び胸の手術は、当院の術式だと、胸管結紮、心膜切除、乳び槽切開という3つの手術を組み合わせて実施します。

まず胸を右横から切開して、リンパ液の通り道である胸管を確認します。

肋間開胸
胸管の確認

腹部を切開してリンパ節から色素を注入して胸管を染めます。

腹部のリンパ管を確認
色素の注入

染めた胸管を確認して、結紮を行います(胸管結紮)

胸管の結紮
胸管の結紮

次に胸を左横から切開し、他の胸管が残っていないか確認をします。

その胸の切開部位から、心臓を覆っている膜(心膜)を切除します(心膜切除)

心膜の露出
心膜切除

次に、色素を注入するために切開した腹部から、乳び槽にアプローチをして切開を行います(乳び槽切開)

染色された乳び槽の確認

それぞれ切開した部位を縫合して閉じていき、手術を終えます。

術後は乳びの貯留も止まり、元気に退院していきました。

手術手技を組み合わせることで乳びが溜まる確率が減らせるという報告があることから、当院ではこの術式を採用しています。

かなり大掛かりな手術になってしまいますが、ご家族との相談の上実施させていただいています。

乳び胸にてお困りの小さなご家族がいる方は、ぜひ当院にご相談ください。

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