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甲状腺腫瘍 猫 甲状腺機能亢進症 甲状腺腺腫 手術 肺腫瘍

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猫の甲状腺腫瘍(甲状腺機能亢進症)

猫は老齢になってくると甲状腺機能亢進症というホルモンの病気に罹患することが多くなります。

その多くは甲状腺腫という良性の腫瘍が甲状腺にできることによって、分泌される甲状腺ホルモンの量が多くなり、症状が出てきます。

症状として多いのが、食欲があるのに痩せてくる、お水をよく飲んでよくおしっこをするようになる、夜中に大きな鳴き声で鳴くようになったなどの症状です。

治療は内服薬によってホルモンの分泌を抑え、症状を抑えるといった内科治療が主な選択肢になります。

内科治療でうまくコントロールできなかったり、内服薬を定期的に飲むことが難しかったりすると、外科的な治療が選択されることもあります。

症例

13歳の雑種猫が、他院にて甲状腺機能亢進症と診断され、そのコントロールを目的として当院に来院しました。

当院で行った血液検査でも、甲状腺ホルモンの値が高いことが確認され、甲状腺機能亢進症と診断をしました。

触診にて片方の甲状腺が腫れていることがわかり、甲状腺腫瘍によっての異常ホルモン分泌を疑いました。

ホルモンを抑える内服薬を処方し、血液検査の値にて見ながらその内服薬の量を増減していきました。

しばらくはお薬の量を増やすことによってうまくコントロールできていたのですが、そのうちに、内服薬の量を増やしても甲状腺ホルモンの値が下がらなくなり、よく食べて吐く、ということを繰り返すようになりました。

ちょうどその時に、定期検診で見つかっていた肺の腫瘍が大きくなってきたこともあり、ご家族との相談の上、甲状腺の切除と、肺腫瘍の切除を同時に行うことにしました。

手術を計画する上で、どのような手術方法を行うかを判断するために、CT検査を行いました。

CT検査の結果、甲状腺は左側の方が大きく、肺の腫瘍は肺の一部分だけにできていることがわかりました。

CT画像 甲状腺腫瘍
CT画像 甲状腺腫瘍
CT画像 甲状腺腫瘍
CT画像 肺腫瘍
CT画像 肺腫瘍
CT画像 肺腫瘍

手術は頸部からのアプローチから開始し、気菅近くの甲状腺を露出しました。

左側が大きくなっていることを確認し、前後の血管を処理してから甲状腺を摘出しました。

甲状腺を露出
甲状腺摘出後

頸部の術創を閉創してから、胸部にアプローチしました。

肋間開胸法にてアプローチし、全部で7つに分かれている肺葉を切除する、肺葉切除術を実施しました。

肺腫瘍を露出
肺門部の脈管を処理
肺葉切除後

開胸した手術部位を閉じていき、手術を終えました。

術後は徐々に回復していき、元気に退院していきました。

摘出した腫瘍は、それぞれ甲状腺腫と肺腺癌でした。

摘出した甲状腺腫瘍
摘出した肺腫瘍

術後は甲状腺腫を摘出したこともあり、内服薬を飲まなくても甲状腺の値が下がっていきました。

今後は甲状腺ホルモンと、肺腺癌の再発に関して注意しながら経過を追っていきます。

猫の甲状腺機能亢進症は時にコントロールが難しく、内科治療だけでは症状を抑えられない場合もあります。当院はご家族と相談しながら、外科的な治療法も選択肢としてお話することもあります。

小さなご家族が甲状腺機能亢進症にてお困りの方は、是非一度当院までご相談ください。

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