ヒョウモントカゲモドキの脱皮不全
脱皮不全とは、表皮の外層が正常に剥がれない状態を指し、主な原因は環境中の湿度の不足です。代謝性骨疾患などによる骨格の異常などによって二次的に起こることもあります。
脱皮不全は体幹に起こると大きな問題になることは少ないが、指や尾の先端や眼瞼部で起こすと問題になることがあります。
指先や尾の先に脱皮不全が起こると、脱皮片が乾燥してしまうことによって絞扼が起こり、組織が壊死を起こしてきてしまうことがあります。
眼瞼部で脱皮不全が残ると、刺激によって角膜炎や結膜炎が引き起こされることもあります。
症例
2歳のヒョウモントカゲモドキが、脱皮がきちんと終わらないとの症状で来院しました。
見てみると、指端部を中心に脱皮が残っていました。
環境中には十分湿度を上げるような配慮がなされ、定期的に温浴等もしていたので、代謝性骨疾患などによる二次性の原因を疑いました。
指端に脱皮片が残存していたので、生理食塩水にて十分に湿らせながら注意深く脱皮片を除去しました。
爬虫類の種類によってはビタミンの不足による脱皮不全の報告もあり、脱皮不全を起こすような症例では積極的な補給を勧めています。場合によっては注射による補給も必要です。
小さなご家族が脱皮不全によりお困りの方は、是非当院までご相談ください。