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小型草食獣(うさぎ・モルモット・チンチラ・デグー) 症例情報

皮膚腫瘍 リチャードソンジリス 腺癌 腫瘍 手術 抗がん剤

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リチャードソンジリスにも皮膚腫瘍は多くできることが経験されます。

今まではジリスにあまり腫瘍ができることは少ないとされていましたが、最近の報告では皮膚の病気の1/4程度が腫瘍性疾患が占めるとされています。

皮膚腫瘍の中で多いのが、アポクリン腺由来の腫瘍で、アポクリン腺癌が多くを占めます。その他には扁平上皮癌、繊維肉腫、悪性間葉系腫瘍などができることがあります。

治療は可能であれば手術で摘出することが第一選択とされています。

抗がん剤やその他の治療に関しては解明されていないことが多く、データがあまりないのが現状です。

症例

4歳のリチャードソンジリスが胸の皮膚にできた腫瘍を主訴に来院しました。

腫瘍は1ヶ月前程度からできはじめ、徐々に大きくなっているとのことでした。

レントゲン検査と超音波検査にて他の臓器に転移がないことを確認しました。

レントゲン画像
レントゲン画像

また、血液検査では腫瘍からの持続的な出血によって貧血になっていることがわかりました。

貧血の状態での麻酔はリスクが上がりますが、皮膚腫瘍は手術での治療が第一となります。

ご家族と相談の上、摘出手術を実施することにしました。

麻酔をかけて腫瘍の状態をしっかりと確認した後、周囲の毛を剃毛し消毒を行いました。

麻酔をかけて消毒している様子
皮膚を切開して腫瘍を持ち上げている

腫瘍と共に正常な皮膚をある程度の距離で切除しました。

この正常な組織も一緒に切り取ることをマージンを取ると言います。

腫瘍を切除した後の部分を縫合し閉鎖していきます。

ジリスでは噛んで縫合した糸を外してしまう場合も多く、しっかりと縫合していきます。

腫瘍切除後
皮膚縫合を実施し術創を閉鎖

手術後麻酔からは無事に覚めてくれました。

縫合した部位を包帯を巻いて保護し退院していきました。

切除した腫瘍は病理組織検査にてアポクリン腺癌との診断であり、悪性度が比較的高いものでした。

摘出した腫瘍

その後手術の傷口は綺麗に治っていたので抜糸を行いました。

データはないものの、病理組織検査での組織像の悪性度が高かったことから、抜糸後に内服薬での抗がん剤治療を実施することになりました。

術後2ヶ月経過していますが、今のところ再発や転移はなく順調に経過しています。

ご家族であるリチャードソンジリスさんに皮膚腫瘍ができてお困りの方は是非当院まで一度ご相談ください。

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