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フェレットの副腎腫瘍

フェレットも人や犬猫同様、中年齢以降になると腫瘍ができてくる可能性が高くなってきます。
その中でも副腎腫瘍、膵臓腫瘍(インスリノーマ)、リンパ腫が多いと言われています。

副腎はホルモンを分泌する臓器であり、様々な体の機能に関わっています。
その副腎が腫瘍になると、ホルモンを出すことによってさまざまな症状が出てきます。

脱毛、陰部の腫れ、尿が出にくくなるといった症状が主なものです。
副腎にできた腫瘍が悪性であると、大きくなったり、他の臓器に転移して元気や食欲がなくなってくることもあります。

原因は詳しくは解明されていませんが、早期の避妊や去勢手術の影響や、遺伝的な影響が考えられています。

治療としてホルモンを抑えるような薬を注射していく内科治療と、腫瘍になった副腎を摘出する外科治療に分かれます。
内科治療で症状が抑えられる場合も多いですが、腫瘍が大型化してきたり、根本からの治療を希望される場合には外科治療を考慮します。
体の中の位置の問題で、左側の副腎の方が右側の副腎に比べて摘出がしやすく、外科治療が考えらやすくなります。

症例

5歳のフェレット、パスバレーがお腹が張っているとの症状で来院しました。
レントゲン検査、超音波検査にて、右側副腎に巨大な腫瘍ができていることを確認しました。

レントゲン
レントゲン
超音波画像

右側の副腎は、後大静脈といった大きな血管系の近くにあり、血管との位置を評価するためにCT検査を実施しました。
CT検査してみると、後大静脈という大きな血管を圧迫し、ほとんど閉塞させているような状態でした。

CT画像
CT画像

手術リスクはかなり高いですが、大きくなった副腎腫瘍に効果的な内科治療は開発されていない為、
リスクを理解してもらった上で手術を実施しました。

開腹してみると、CT検査通り、右副腎腫瘍で後大静脈が圧迫されていました。
周囲を剥がしていき、腫瘍と後大静脈が癒着していることを確認しました。
副腎腫瘍だけを摘出することは不可能と判断し、血圧や心拍数の変化を見た上で、後大静脈ごと腫瘍を摘出しました。

副腎の露出
摘出準備
摘出された副腎腫瘍

摘出後、心拍数や血圧が大きく変化し、不整脈も起こりましたが、無事に麻酔からさめて、数日の入院後元気に退院しました。

病理組織学的検査の結果、副腎腫瘍は副腎皮質腺癌と診断されました

フェレットの、特に右側の副腎腫瘍の場合、技術的に困難なことから、手術自体を治療の選択肢に挙げないこともあります。
当院は、可能な限り、手術も治療の選択肢になるようにご提案し、どの選択肢が治療としてベストかご相談をするようにしています。

小さなご家族が、副腎腫瘍で苦しんでいる時には、是非一度ご相談ください。

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