うさぎの消化管うっ滞(毛球症)
うさぎを含む草食獣は消化管のうっ滞が容易に起こります。
同じような意味の病気として、毛球症という言い方もよくされます。
換毛期で、被毛を飲み込んでしまい発症をすることもあれば、異物を食べてしまい発症すること、
歯科疾患や内臓疾患、ストレスに続発しておこるなど、原因は様々です。
症例
2歳のライオンラビットが食欲不振を症状に来院しました。
触診にて胃の拡張が触知され、レントゲンにて胃の拡張を確認しました。
お腹の動きを促進させるような注射や循環をよくするための皮下点滴などを実施し、通院の治療で様子をみていましたが、あまりよくなりませんでした。
その後入院しての治療を行い、静脈点滴を行いましたが改善はありませんでした。
内科治療で改善が見込めなかったので、ご家族と相談をして、外科治療を実施することになりました。
お腹を開けてみると、拡張した胃が出てきました。
胃を開けてみると、中からは毛の塊が多量に出てきました。
食査に毛が混じって固まっていた状態でした。
切開した胃を縫合し、閉鎖していきます。
その後お腹を閉じて手術を終えました。
手術後、徐々に元気になり、食欲も出てきました。
うさぎの消化管うっ滞は内科治療で治ってしまうことがほとんどですが、中にはよくならず、外科治療に踏み切らなければならないこともあります。
当院ではうさぎの外科的な治療も実施しております。
消化管うっ滞にて苦しむ小さなご家族がいる方は、ぜひ当院にご相談ください。